SPICE バイポーラトランジスタ・モデルの作成

久しぶりです、忙しくて、暇ができなかった。あり合わせの材料で、記事を作ってみたい。明日からまた忙しい・・・(能力が衰えているのか???)
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さて、SPICEのバイポーラトランジスタのモデルを作成する方法を書いてみます。
データシートからモデルを作成する場合に、グラフから、データを写す方法:
データシート(PDFやコピー)から、適当なグラフをPCに取り込む、コピーなどで歪んでいる場合には、画像アプリで修正しておきます。表計算ソフト(EXCEL2010以降が便利)に、取り込んだグラフと同じパラメータのグラフを作成して、半透明にして、グラフを重ねます。これで、散布図のデータを合わせこむと、データ列が獲得できます。
2SC1815のデータシートには、VBE-IB特性と、VBE(飽和電圧)-IC特性が乗っています。
通常は、この特性から、伝達飽和電流(IS)を求めるのですが。今回は、順方向電流放出係数(NF)を計算してみます。(通常は、NF=1:デフォルトとして扱います。)
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この画像から、最初に、順方向電流放出係数 (NF)を計算します。2点間のVBEと電流(ICかIBの比)を使って、以下の計算式を使います。(飽和VBEは、hfe=10なので、便利です。NFは、このグラフの傾きに相当します。
NE = (VBE1-VBE2) /(VT *(1n(IC1 / IC2)))
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NFの値の範囲は、1から1.3です。データシートから獲得したデータでは、NF=1.126(中間10ポイントの平均)となりました。注意:この値を、モデルに使わないでください。あくまでも、グラフの値をもっともらしく写す為の目安です。あくまでも、hfe=10の飽和特性のカーブなので、NFは、1.3以下になります。ここでは、NFの計算例だけを見てください。もう少し計算すると、このグラフからは、飽和電流(IS)の概略値が求まります。VBEが少ない部分のISを参考値として使います。

ところで、EXCELでデータを写すコツは、同じデータから、複数のグラフを作成して、値の連続性を確認しながら行うことです。特に、指数関数に比例するデータは、対数軸を使って、1次(直線)に見えるようにすると、誤差が少なくなります。データシートのグラフは、適当に書かれている場合もあるので、注意が必要です。
NFが求まったので、ここから、伝達飽和電流(IS)も計算できます。ISの値は、hfeに依存するので、VBEの飽和特性は便利です。どうせ、ISの値は、桁単位でバラツクので、適当に決めます。普通のトランジスタのVBE-IC特性は、ベース抵抗や、その他のパラメータの影響で、傾きが変わった後なので、コレクタ電流が1mA以下の部分で判断します。PSPICEのダイオードモデル作成ツールでは、フィッティングがおおざっぱなので、指定データ数が少ないと、結構びっくりする値が出てきます。
例題のNFの計算も、区間の取り方を間違えると、0.5前後の値が計算されてしまいます。(同じデータ列なのですが)
このように、データシートから、値を読み取って、パラメータを決めています。
hfeは、IKF,NK,ISE,NEを調整しながら、大電流から小電流領域に分けて設定します。

今日は、ここまでです。
SPICEモデルを作成するのに、表計算ソフトを使う話でした。


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