TT@北海道さま ADS-B用 マイクロストリップラインフィルタ 改造 6/2編集

昨日も、PICを学習中、ついに、MikroCに手を出してしまった。昔のC言語に近い、これなら使えそう。ライブラリだけでも、XC8に移植できないのだろうか。ところで、先週に、TT@北海道さまの、フィルタについてご紹介しました。今回は、これを改造してしまう、とんでもない企画です。
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送って頂いた基板について、学習中のSonnetで、検討してみました。無料版は、シミュレーションのメモリ制限(32MB)があり、細かく解析できないのですが、幾つかの問題点が判りましたので、それを含めて、改造してみます。

最初に、フィルタの入力インピーダンスが、高めに設定されていること、フィルタの結合を強めに設計して、双方特性を利用して、地デジ帯域の減衰を大きめに狙っていることなど、TT@北海道さまの狙いが明確に出た設計です。
TT@北海道さまの測定を再現してみると、私の環境では、通過帯域が、設計値よりもさらに低い方に移動していました。そこで、この誤差の原因を検討してみました。

1.ビアホール(季節がら、飲みたい!)、いや、スルーホールの位置と数
1/4λ共振エレメントのショート側に、6個のスルーホールで、裏側のGNDと接続されています。解析してみると、この接続部分の長さが影響しているようです。数を増やすか、この影響を含めてエレメントを設計するのが良さそうです。

2.赤いレジストの影響
基板の共振エレメントには、赤いレジストが塗布されています(色は関係ありませんが)。設計仕様と現物を見ながら解析してみると、レジストの影響は、比誘電率=3.3、塗布厚さ=70μm、損失=0.01で設定すると、結果に良く合いそうです。さらに、基板のガラエポの比誘電率=4.3、損失=0.02にしてみました。低い周波数(ガラエポのガラス繊維とエポキシの誘電率の差が問題とならない帯域)では、比誘電率は、4.5位と高く見えますが、高い周波数になると、実効的に誘電率が低下します。この低下の度合いは、日本製の素材と、中国製の素材で、異なります。違いは、ガラス繊維の表面加工処理にあります。日本の材料は、ガラス繊維の内部まで、樹脂が浸透します。中国の安い基板は、繊維の周囲が空洞になる場合もあります。高周波で使うのであれば、FR-4よりは、日本製のCEM-3の方が高性能だたりします。中国の安い基板で、小径のVIAホールを使うと、スルーホール切れが発生するのは、ドリル穴に、ガラス繊維の切れ端が飛び出し、この周囲にスルーホールメッキがうまく出来ないこととが原因となります。(他にも、TH内部の繊維の影響で、空気の泡が引っかかって抜けない、あるいは、メッキ液が残るとか・・・) 

3.中間エレメントの共振周波数が低い
今回のフィルタは、3エレメント・インターデジタルフィルタですが、エレメントの寸法が同じです。フィルタの設計には多くの種類があります。どちらにしても結合した共振エレメントは相互に影響を受けます。中間のエレメントは、両側の結合の影響を受けて、物理的な寸法より低い周波数で共振します。今回は、この部分だけを変更して、特性の変化を楽しみたいと思います。

私の基板は、ちょうど1090MHzの損失が大きく、-4.7dBもあります。これを、-3dB以下にしたいのです。せっかく、NFの良いプリアンプをつけるので、損失を最小限にしようと思います。

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潔く、中間のエレメントを、1mm短くします。(でもみみっちく、カッターで切れ目を入れて、後で、半田で繋ぐと、元に戻ります・) スルーホールの影響を加味していないので、このシミュレーションより、低い方に約5MHz移動するはずです。
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測定結果です。低い方に、5MHz位、移動しています。予想通りです。Sonnetの解析を細かく調整して、解析可能メモリの95%まで使って解析すると、スルーホールの影響がエレメント長として、0.16mmに相当するようです。(@1090MHz)

プリアンプ(BGA2748)を実装して、最終特性は
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S12は、20.55dB(入力-45dBm)、フィルタの損失:2.73dBなので、LNAのS21は、23.28dBとなりました。今回は、100pFによる損失も無く、問題なしでした。

今日はここまでです。Sonnetの癖も解りかけましたし、シミュレーションと結果の限界と、合わせこみができました。私にとって、とても有意義な時間でした。 私も、基板を作ってみたいような・・・ 

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この記事へのコメント

TOSHI
2015年06月03日 00:02
6/2 記事の内容を少し編集しました。
マイク
2015年07月02日 23:26
この周波数帯は、シュミレータがないと、さわるのが怖いです。こういうフィルターを使用してみたいです。
TOSHI
2015年07月06日 22:27
マイクさま
コメントありがとうぎざいます。
コメントに気付くのが遅くなりました。
フィルターを沢山作ってみると、それぞれに難しさと楽しさがあって、やめられません。最近は、パソコンのシミュレータが無償で使えるので、ありがたいと思っています。測定できるツールがあれば、沢山作って失敗するのが私の趣味です。
ストリップラインフィルタは、基板の切り貼りや、銅板でも作れるので、試してみてください。

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